東京高等裁判所 昭和30年(ウ)79号 判決
被申立人らが申立人主張の如き理由によつてその主張の如き仮処分決定を得、これを執行したこと、並びにその後右仮処分の本案において被申立人ら敗訴の第一審判決の言渡のあつたことは、当事者間に争のないところである。そして、右第一審判決の正本である成立に争ない甲第一号証によれば、右判決は被申立人らの請求の実体に入つて審理した上これを理由なしとして棄却したものであつて、右判決に対しては被申立人らにおいて控訴を提起し、現に当裁判所昭和二十九年(ネ)第二四八五号事件として当裁判所に係属中であることは、当事者間に争ないところであるけれども、前記第一審判決の判決理由と成立に争ない甲第二号証(右第二四八五号事件の証人吉田ヌイの尋問調書)を綜合するときは、右第一審判決は控訴審においてたやすく取り消されるおそれがないものと認められるので、たとい右判決は確定していなくても、右第一審判決のあつた一事をもつて本件仮処分の存在もしくは存続を不当ならしむべき事情の変更を生じたものと認めるのが相当である。よつて申立人の本申立を相当としてこれを認容し、申立費用につき民事訴訟法第八十九条を、仮執行の宣言につき同法第七百五十六条ノ二を、それぞれ適用して主文のとおり判決する。